コラム

売上と純利益、企業にとってどちらが大事?優先順位を見極めて売上アップ!

売上

企業の成功において、売上と純利益は重要な指標となります。

一般的に、売上が上がれば企業は成長していると見られがちです。

しかしこれは一面的な視点であり、純利益の側面を見逃してはなりません。

売上と純利益、どちらが重要なのか。

これは売上と純利益の関係を把握していれば自然と答えが見えてきます。

今回のコラムでは売上や純利益関連の語句について、経営上の売上と純利益はどちらが大事なのかなどについて解説します。

支援機関を探す
支援機関を探す

売上?純利益?利益率?よく聞く語句の意味と違いを解説

この章では「売上」や「純利益」など、企業の経営を担うためには、経営に関するさまざまな知識やスキルが必要です。
その中でも、特に欠かせない単語について解説します。

売上

「売上」とは、商品やサービスの提供で得たお金のことで、よく聞く「売上高」も同じ意味を持ちます。
具体的には、企業の営業活動によって稼いだお金が「売上」で、売上の総額が「売上高」と呼ばれています。どちらも主にビジネスの規模を示す指標であり、企業の財務力を示す指標です。

ちなみに、売上高は必ずしも企業の利益と直結するわけではありません

売上高(売上)から仕入れや販売などで発生した諸費用を差し引いたものが利益です。

そのため、売上高が下がったとしても利益率が高ければ、同じまたはそれ以上の利益を上げることができます

例えば、売上高が1,000万円の月と600万円の月があったとしましょう。

数字だけ見ると1,000万円の月の方が多く利益を得ているように思われますが、実際のところは利益率を確認してみなければ分かりません。

売上高が1,000万円でも、仮に利益率が40%だったとすれば粗利は400万円です。

一方、売上高が600万円であっても利益率が80%であれば480万円の粗利となります。

このように、売上高=企業の利益ではないため注意しましょう。

今回計算したのは大まかな「粗利」です。

実際に書類上で登場する利益には、さまざまな種類があります。

純利益

「純利益」とは、本業で発生した売上から売上原価や販売・管理費などを差し引いた利益のことです。

臨時的または例外的に発生した営業外損益や特別損益などのような本業以外の損益、法人税などの税金も差し引かれます。

営業外損益や特別損益とは、具体的に下記のような損益のことです。

  • 自然災害による損失
  • 訴訟での損失
  • 所有する不動産における収益  など

営業外損益は「営業外」の「経常的」な損失、または利益のことです。
上記の例であれば「所有する不動産における収益」が当てはまります。(主たる事業が不動産業ではない場合)

一方、特別損益は本業や経常的な活動ではない突発的に発生した利益や損失のことです。

上記の例であれば「自然災害による損失」「訴訟での損失」が当てはまります。

純利益は「税引後利益」や「最終利益」「当期純利益」と呼ばれることもあります。

利益率

「利益率」とは、利益が売上に対して占める割合のことです。

企業の一定期間における収益と費用を示す財務諸表の一部である「損益計算書」において、企業の経営成績を示す利益として「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」の5つがあります。

売上総利益

「売上総利益」は売上高から売上原価を差し引いたもののことです。

主に本業で得られた利益のことを示しており「粗利益」とも呼ばれます

純利益に行き着くまでの基礎ともいえるでしょう。

営業利益

「営業利益」は、企業が本業のサービスや商品販売によって稼ぎ出した利益のことです。

売上総利益から、さらに「販売費および一般管理費(販管費)」を差し引いて計算します。

営業利益に含まれるのは本業のみであるため「特別損益」や「営業外損益」は含まれません

経常利益

「経常利益」は営業利益から投資収入や外部委託料などのような営業外の収益、または損失(営業外損益)を加味した利益のことです。

なんらかのイベントや災害などにより臨時的に生じた収益や損失(特別損益)は含みません。

経常利益では、売上高や営業利益だけでは分からない企業全体としての儲ける力を知ることができます。

そのため、経常利益は企業の実力を確認する指標ともいえるでしょう。

税引前当期純利益

「税引前当期純利益」とは、経常利益から特別損益を差し引いた利益のことです。

営業外を含むすべての収益から、税金を除いたすべての費用を差し引いた収益です。
名前の通り、当該期に支払う税金はまだ差し引かれていない状態です。

ここでいう支払う税金とは、法人税、住民税、事業税などが挙げられます。

当期純利益

当期純利益とは、決算期における企業の収益全体からかかった費用、税金などすべてを差し引いて残った収益のことです。

先述の内容を繰り返しますが、当期純利益は「利益」や「税引後利益」「最終利益」と同じ意味を持ちます。

中小企業は売上よりも利益を優先した方が良い

「売上と利益、中小企業はどちらを大事にすべきか」という問いに対する答えは「利益」です。

中小企業に限ったことではなく、基本的にビジネスにおいて優先した方が良いのは利益です
だからといって売上をないがしろにして良いというわけではないため、この点はご注意ください。

売上や顧客数などの数字は、あくまでも利益を生み出すための過程に過ぎません。

「いかに利益率の高いビジネスを行い、多くの収益を確保することができるか」

これが多くのビジネスにおいて基本の考え方です。

「純利益」が赤字でも「経常利益」が黒字であればOK

最終的に算出される純利益が赤字であっても、経常利益が黒字であれば大きな問題ではない場合があります。

純利益には継続的な事業に関係のない突発的、または一時的な損益(特別損益)も反映されていることがあるためです。

一方、経常利益は本業と本業外における損益すべてを含んでいますが、特別損益は含まれません。

そのため企業の総合的な収益力を判断するために重要な数値としては、純利益より経常利益の方が適しているのです。

経常利益が黒字で純利益が連続して赤字でなければ、一時的な損失ではあるものの不調ではないと判断できるでしょう。

売上と利益を無理なく上げる方法

「なんでもいいから売上を上げよう!」とひたすら売上高を追いかけたり、逆にできるだけ経費を使わないように無茶な経費削減を行うなど、これらは利益の上がらない典型例です。

この章では、売上ないしは利益を無理なく上げる方法について解説します。

新規顧客を獲得する

新規顧客の獲得は利益向上につながります。

見込みの高い顧客を、いかに引き込むかが重要です。

新規顧客を増やす方法は、広告、コンテンツ・検索エンジン対策、紹介、メディア経由、キャンペーンなど、さまざまな媒体や方法があります。

ターゲット層に響きやすい媒体は何か、などよく分析を行った上で検討しましょう。

ここで大切なのが「既存顧客をキープしながら新規顧客を獲得すること」です。

いくら新規顧客を獲得したからといって既存顧客が減少しているのであれば、売上にはつながりません

売上の算出に必要な要素として「集客数(顧客の数)」「成約率(コンバージョン率)」「顧客単価」の3つがあります。

新規顧客の獲得は、この中の「集客数」に当てはまります。

新規顧客を40人確保したとしても、既存顧客が40人減ったのであれば売上に変化はありません。

中長期目線でも、利益を上げたい企業にとって既存顧客の数が多いことは大きな強みとなります。

なぜなら既存顧客はリピート顧客となり得るためです。

リピート顧客は口コミなどによるインフルエンサーとして顧客を紹介してくださることもあり得ます

ですから「既存顧客をキープしながら新規顧客を獲得すること」を大切にしましょう。

顧客を囲いこむ

顧客を「囲い込む」とは、既存顧客や見込み顧客などが競合の企業やサービスへ流出しないように防止することです。

現在の顧客を永続的な顧客として固定客化・ファン化させることも意味合いとして含まれています。

特に、顧客のファン化は企業にとって難関ではあるものの、とても大切です。

企業のファンとなった顧客は、企業に対する愛着や信頼(顧客ロイヤリティ)が高いといえます。
顧客ロイヤリティの高い顧客を「ロイヤルカスタマー」と呼びます。

ロイヤルカスタマーは利用頻度や利用単価が高く、他の顧客へ企業の情報をお知らせしてくれる可能性も高いといわれており、企業にとっては欠かせない重要な存在です。

一方、集客に失敗する事例としてよくあるのが、既存顧客へのアプローチが不十分だったというものです。

たった一度の購入では利益の向上にはつながりません。

長期的に購入・利用してもらえるように、他社競合の商品・サービスとの差別化や、丁寧なアフターフォローを怠らないようにしましょう。

顧客の来店・購買頻度を上げる

リピート顧客の増加は運営コストの削減にもつながり、結果として利益向上につながります。

新規顧客の獲得にはキャンペーンや広告など新規の施策が必要です。

そのため、リピート顧客よりも獲得に至るまでのコストがかかります

ですから顧客の来店・購入頻度を上げることが大切です。

顧客単価をあげる

顧客数や販売数に変動がなくとも、顧客単価を上げることができれば売上や利益を上げられる可能性があります。

顧客単価を上げるためには確実に購買してもらうための工夫や、クロスセル・アップセルの実践などが重要です。

クロスセルとは顧客が購入希望している商品と組み合わせて使うことができる商品の購入を促すことです。

一方、アップセルは顧客が購入しようとしているものよりもランクが高いものを紹介し、そちらを購入してもらえるよう促すことです。

ECサイトなどでよく見かける「この商品を買った方は、他にこの商品を買っています」などの文言は、顧客単価をあげる施策の典型例でしょう。

クロスセル・アップセル以外の工夫例として、下記記事で詳細を解説しておりますのでぜひご覧ください。

関連記事:トップラインを上げる方法とは?売上を上げる鍵は営業にあった!

商品単価について検討する

商品単価を見直すことも利益や売上を上げるために有効です。

まずは現状の販売単価は本当に相応しい価格なのかを検討し、その結果をもとに最適な価格で販売することが戦略として適しています

販売価格を下げて販売個数を増やすことなどは有効な戦略です。

しかし、商品単価の扱いには厳重な注意が必要であるということを念頭に置いておきましょう。

例えば「値上げ」に関しては多くの顧客がネガティブな印象を抱いています。

「原材料価格が高騰している」などのような社会全体の影響がある場合であれば、受け入れられやすいですが、そうでない場合、値上げによって売上を増やす方向性はあまり現実的でないといえるでしょう。

逆に販売価格を下げて販売個数を増やしたとしても、顧客単価が下がることも考えられます。

顧客単価が下がると、販売個数が増えたとしてもそこまでの売上向上は見込めません。

商品単価を上げる「値上げ」や「値下げ」にはそれぞれメリットとデメリットがあるので、注意深く行なう必要があります

商品単価については慎重に検討を重ねましょう。

目の前の数値に囚われず、俯瞰的に数値を判断しよう

売上の数値が上がったからといって、利益も上がるとは限りません。

売上から販売にかかった費用を差し引いたものが利益です。

そのため、売上向上のために行った施策に莫大な費用をかけたとなると、当然その分利益は減少します。

このように目の前の数字ばかり追いかけていると、大局を見失ってしまうことがあります。

局所的に目を向けるのではなく、全体像を把握した上で、大切なものは何か、見逃していけないものは何かという本質を見抜きましょう

俯瞰的に見た方が良いのは数字に限った話ではありません。

戦略を立てる際、分析を行うと思いますがその際も冷静に俯瞰的な視点で物事を見つめましょう。

あらゆる要素を並べて主観を取り除き、あくまでも客観的な要素で分析することにより、事実に即した具体的な戦略を立てることができます。

分析の際にはロジックツリーなどのようなフレームワークを利用することがおすすめです。

ロジックツリーでは物事の要素を極限まで分解していくため、企業が抱えている課題などの本質が明確になります。

ロジックツリーの作り方や種類については下記の関連記事をご覧ください。

関連記事:売上低迷の原因とは?ロジックツリーを使って売上を伸ばす戦略を立てるには

中小企業119
中小企業119

関連する記事