コラム

期待の新人を生かすかどうかは企業次第!伸びしろを最大限に引き出すポイントを紹介

人材育成

新入社員の中には、将来を期待したくなるような優秀な人材が存在していることがあります。

期待の新人は、企業の未来を担う可能性を秘めた人材です。

その可能性を最大限に引き出すためには、企業側が適切な育成方法を実施することが重要です。

企業にとって期待の新人を育成することは、将来の事業成長を担う人材を育成する上で非常に重要な課題といえるでしょう。

そこで、今回のコラムでは期待の新人を育てるための具体的なポイントを解説します。

育成方法を検討する際に、ぜひご参考になさってください。

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期待の新人や伸びる新人の特徴

期待の新人や伸びる新人を一人前の戦力として育成するためには、まずその特徴を知るところから始めましょう。

この章では共通したそれらの特徴を紹介します。

素直である

素直な人は自分の力を過信していないこともあり、先輩や上司からの助言や仕事のコツを素直に聞き入れます。

改善点を指摘されても反発せず、学びとして受け止め次へと生かすことができます

素直な態度だけでも十分成長の見込みがありますが、これらを受け入れ、自身のスキルとして習得できれば、まさに「期待の新人」といえるでしょう。

また、素直な人は分からないことがある場合でも周囲に気兼ねなく質問ができる傾向があります。

分からないときに素直になれない人は「仕事ができない人だと思われたくない」などのプライドを持ち、そのため問題を自分一人で抱えてしまうことがあります

ハングリー精神が強い

伸びる新人はハングリー精神が強いという特徴もあります。
ハングリー精神が強いかどうかは、業務に対する積極的な態度などから確認することができるでしょう。

ハングリー精神が強い人は教わったことをすぐメモに取り、実践し、さらに自らフィードバックを行ったり、積極的に質問をしたりなど、さまざまなアプローチを重ねます

その結果、スキルだけでなくチャレンジ精神も育まれ、問題解決ができたという成功体験から自信にもつながります。

普段から知識やスキルを貪欲に吸収しようとする姿勢を持つ新人は、大きな成長が期待できるでしょう。

自分がすべきことを理解し、率先して行動できる

伸びる新人は自分で考え、自分の役割を適切に理解した上で率先して挑戦します

状況を把握する力に長けていることはもちろん、チャレンジ精神や自分への自信があってこその行動力といえるでしょう。

特に近年の新卒入社は指示待ちの人が多いといわれる中、自分で積極的に行動できる人はそれだけでも大きなスキルを持っているといえます。

自分の役割を理解できるということは、状況把握能力に長けているといえます。

状況把握能力は管理職やリーダーに必要なものです。
将来のリーダー候補として、早い時期からこの能力を伸ばしてあげると良いでしょう。

結果を客観的に捉えることができる

成功や失敗に一喜一憂せず、客観的に捉えて学びを得ることができることも、伸びる新人の特徴です。

失敗を自ら掘り下げ、要因を明らかにして次に生かすことはもちろん、成功した際にも振り返り、積極的に学びの姿勢を保つ新人は、継続的な成長が期待できるでしょう。

関連記事:【新人の教育に失敗したくない方へ】イマドキ新人社員の育て方やコツを解説!

「期待外れ」は教育方法のせいかも!NGな新人育成

スキルの高い新人や、積極的な社員が入社すると、期待の目で見ることが多いかと思います。

しかし、時間が経つにつれて自分が想定していたような成長が見込めず「期待外れだった」と思ったことはありませんか。

実はこの現象、新人本人に問題があるのではなく、新人育成の体制に問題があるのかもしれません。

この章では新人育成を行うにあたってのNG例を紹介します。

優秀だからとタスクを集中させる

処理能力に長け、精度が高いなどあるスキルに突出している優秀な人材だからといって、その人ばかりにタスクを集中させていませんか。

他の人に頼むよりも優秀な人材に任せた方が楽ではありますが、その新人の負担ばかりが増えてしまいます。

新人のころから多くの業務に携わり、責任感を持ってもらうことは良いことですが、過度な業務量はプレッシャーにもつながります

自分以外の人材にそこまでタスクが割り振られていなかった場合「なぜ自分だけ」と不満を持つこともあるでしょう。

新卒社員などのような若手社員は特に、業務に対する対応力はあっても、精神力がそれに追いつかず、やる気を損なう場合も考えられます。

適切に評価しない

その人の業務態度や業績が良いのにも関わらず「新入社員だから」という理由だけで適切な評価が与えられない環境であれば、いくら能力の高い新人であってもやる気をなくしてしまうでしょう。

年功序列の価値観が根付いている企業によく見られるケースです。

勤続年数が長いだけで特に業績が良いわけでもない人の方が評価されている、新人というだけで昇給や昇進の対象外など、不当な評価基準が蔓延する環境では、当然やる気は生まれません。

期待される新人の能力を引き出す育成方法とポイント

期待される新人に共通している先述の項目は、期待の新人が持つ「強み」ともいえます。

期待の新人を育成するためにはその強みをしっかりと伸ばしてあげることがポイントです。

この章では、期待される新人の強みを伸ばすための育成方法とそのポイントを紹介します。

今回紹介する内容は「期待の新人」に限ったものではありません。

あくまでも期待の新人の強みである「素直さ」「積極性」などの成長に着目した育成方法ですが、多くの新人教育の場面で活用できます。
一般的な人材育成に関する内容は、下記の関連記事をご参照ください。

関連記事:人材育成をする意味とは?教育と育成の違いは?育成で大切なことと一緒に詳しく解説

関連記事:人材育成の方法とは?社員の育成イメージに大切なフレームワークを紹介

1日を振り返って「気づき」「解決策」などを自分なりに考える習慣を付ける

新入社員のうちから自分で考える習慣が身に付くよう指導しましょう。

自分で考えない社員は、指示がない限り自主的には行動しません

いわゆる「指示待ち」状態です。

また、自分で考える習慣がないため、自身の行動を振り返り学びを得ることもなく、成長につながりにくいといえます。

新人であるうちは指示待ちでも良いかもしれませんが、それを放置していると当事者はもちろん企業の成長にはつながりません。

例えば、入社してしばらくは終業前に振り返りの時間を設けることがおすすめです。

その日の業務に対する気づきや、課題に対する解決策などを考えてもらうと、より効果的になります。

精神的な安心感を与える

新入社員が安心できる職場環境を整えることで、より効率的な業務が期待できます。

ここでいう「安心できる職場環境」とは「失敗などがあった際に、気後れせず報告できる環境」のことです。

特に近年の新人の傾向として、他人からの評価を強く気にするため、失敗や質問などを他人と共有することができず、一人で抱え込んでしまうところがあるといわれています。

表面上は仕事ができる「期待の新人」でも、そういった側面がないとも限りません。

困ったことがあれば、すぐに報告や相談をするよう事前に伝えておき、そのような報告が恥ずかしいことではないと周知しておくことが重要です。

新人の育成計画を立てる具体的な手順

この章では新人の育成計画を立てる際の具体的な手順を説明します。

現場の把握

まずは現場の把握から始めましょう。

人材育成を行うにあたって目標設定が必要ですが、現場がどのような人材を欲しているのか分かっていないと計画の立てようがありません。

新入社員が配属される部署や職種の業務内容、現場で求められているスキルなどを正確に把握しましょう。

そのためには現場の社員へのヒアリングや業務マニュアルの確認などを行い、具体的な情報収集が必要です。

スキルマップ(※)の作成もおすすめです。

スキルマップを作成することで社員の持つスキルが一覧化され、組織において不足している人材や強化すべきポイントが分かりやすくなります。

現場を把握し、実現可能なカリキュラムを組みましょう。

※スキルマップとは、それぞれの社員や組織単位で業務に必要な知識や技能を誰が保有しているか、どの程度のレベルなのかを「見える化」した一覧表のこと。

目標を明確にする

現場の把握を踏まえて、新入社員にどのような人材になってほしいのか、育成目標を明確にしましょう。

人材育成の目標は「企業に貢献できる人材の育成」です。

これをゴールとして、人材育成を行う際にはそのゴールに到達するまでの途中でいくつかの中間目標を設定しましょう

これにより、新入社員のモチベーションの維持が可能となります。

目標として、例えば「半年後には、営業先の担当者の名前と役職を覚え、顧客のニーズを正確に把握できるようになる」といった具体的かつ達成可能なものを設定しましょう。

関連記事:人材育成の目的とは?会社の課題解決のためまず育成と教育の違いを理解しよう

必要なスキルや知識を洗い出し、習得期間を決める

グループや組織に今後どのようなスキルが必要になるのかを明らかにし、新入社員に習得してもらうまでの時期を設定します。

この過程で「企業の成長」を念頭に置いておくことが大切です。

必要なスキルの種類に応じて、習得にかかる期間を考慮して優先順位を付けておくことで後々カリキュラムが組みやすくなります。

スキルの洗い出しにおいては、多角的な視点がある方がより良いため、一人ではなく複数人で行うことがポイントです。

カリキュラムを作成する

必要なスキルの洗い出しや優先順位を付けたら、具体的なカリキュラムを作成します。

カリキュラムには、研修やOJTなどの教育方法と、それに伴う内容や習得させたいスキル、習得までの期間や担当者などを明確に記載します。

カリキュラムに組み込む教育方法は多様化した方が良いでしょう。

例えば、座学に偏りがちな研修だけでは、実践を通じて得られる知識やスキルがなかなか身に付きません

さまざまな教育方法を組み合わせることで、新入社員の理解度や習得度をより高めることができます。

関連記事:人材育成に必要といわれるスキルとは?育成時の課題や育成方法の具体例を紹介

フィードバックを行う

教育の成果を確認するため定期的にフィードバックを行い、PDCAサイクル(※)を回します。

フィードバックを行う際は、具体的かつポジティブな言葉を使うよう心がけましょう。

また、改善点を提示する際は「どういったところが改善できると思うか」などと新入社員に問いかけ、自ら考えさせることで学習内容の定着を促します

さらにフィードバックは新入社員の成長を促すだけでなく、カリキュラムの見直しにも役立ちます。

より効率的で効果的な人材育成を実現するため、フィードバックを定期的に実施しましょう。

※PDCAサイクルとはPlan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)という4つのステップを繰り返すことで、業務やプロセスを改善するフレームワークのこと。

優秀な新人の離職を防ぐためにできること

優秀な人材を採用し、育てたとしても、企業の対応によっては入社して間もなく離職する可能性も否定できません。

優秀な人材の早期離職は企業にとって大きな損失であるため、離職をできるだけ避けることが重要です。

離職率を下げるため、企業側が最低限できることは下記の4つです。

  • 新人が早く職場になじめるようにする
  • 新人のモチベーション管理を行う
  • 成長の機会を設ける
  • 承認と感謝を伝える

離職率の高い企業は、今回紹介するいずれかの項目ができていない可能性があります。

新入社員の離職を防ぐために企業ができることについて、この章では解説します。

新人が早く職場になじめるようにする

新入社員が早く職場になじめるよう、配属された環境を整えることは離職を防ぐために効果的です

新人は職場での人間関係をゼロから構築する必要があります。

人間関係の構築には向き不向きがありますが、向いていないからといって無視できるものではありません。

人間関係の構築がうまくいかず、悩みや仕事の不安を誰にも相談できない状況が続くとストレスが溜まり、パフォーマンスに支障をきたすようになるでしょう。

そうならないよう、職場に早くなじめるように積極的に話しかけたり交流の機会を設けたりする工夫が必要です。

もちろん、個人差があるため一人一人の個性を認識した上でコミュニケーションを図りましょう。

安心できる職場は離職を防ぐだけでなく、自身の能力を十分に発揮できるというメリットもあります。

新人のモチベーション管理を行う

適切なタイミングできちんと評価をすることで新入社員のモチベーションを管理しましょう。

新人だからといって正当な評価が与えられないなどの不当な扱いはモチベーションが低下する要因です。

また、褒めることで「自分はあなたのことを気にかけている」というアピールにもなります。

見られているという意識が高まれば緊張感とやる気につながるでしょう。

一方で、モチベーションの管理は褒めたり良い評価を付けたりすることだけでは成り立ちません

新人が何か失敗をした際、人前で叱ったり一方的に言い募るのはNGです。

他の人に聞かれないよう別室に行ったり、本人に改善点を聞くなど、新人の立場を尊重した態度を心がけましょう。

成長の機会を設ける

個人差はありますが、特に優秀な新入社員は自分が成長する機会を求める傾向があります。

同じような仕事が続くと成長を実感できず、不安を覚えることがあるようです。

将来のキャリアに関して悩みを抱くこともあるでしょう。

「このままこの会社にいて成長できるのか」などの不安から転職を考える人も少なくありません。

優秀な人ほど成長欲求が高いため、スキルアップの機会が少ない職場環境では離職率も高くなります

まず日常的な雑談を通じて親睦を深め、本人の成長意欲について調査をしましょう。

1on1などで直接尋ねるのも効果的です。

その結果に基づいて新しい仕事や責任のあるプロジェクトを任せるなど、新人の個性やキャリア、成長などに合わせて仕事内容を変えることが離職を防ぐ方法として有効です。

相手の承認欲求を満たす行動をする

新人社員の承認欲求を満たすことも重要です。

「承認欲求」という言葉があるように、人は誰しも承認を求めます。

相手に認められたい、褒められたい、そして自信につなげたいという欲求です。
SNSの普及も、この承認欲求が関係しているといわれています。

画像や自分の言葉を発信し、他人からの承認を得ることで承認欲求を満たすのです。

承認欲求が満たされることで、人はその環境に対して安心感を得ます。

安心感が得られると、先述の通り業務パフォーマンスが向上することが期待できるでしょう。

承認欲求を満たすためには、その人を認めたり褒めたりすることが有効です。

嘘を付いたり、大げさに持ち上げたりする必要はありません。

その人が成し遂げたことに対して、適切な評価を行ったり、小さな仕事に対しても感謝の言葉を伝えましょう

マズローの欲求5段階説

「マズローの欲求5段階説」とは、アメリカの心理学者である、アブラハム・マズロー氏が提唱した、人間の欲求は5段階で構成されるという心理学理論です。

最下層部にある「生理的欲求」から順番に上へ向かってクリアする(満たされる)ことにより、最終的に自己実現に至るという理論です。

先述の承認欲求は、この説では下から4番目。

新入社員を教育する担当者や他の人が、新人の承認欲求を満たしてあげることでその人は次の段階へ進むことができます。

承認欲求の次は「自己実現」。
自分が満足できる自分になりたい、という欲求です。

企業の貢献に役立つ社員になるために成長は欠かせません。

ただし段階を飛ばして成長を促すと、成長の妨げになるどころか逆効果である可能性も考えられます

社員の成長を促すためにはマズローの欲求5段階説に基づき、承認欲求を満たすことから始めるのが良いでしょう。

期待される新人の成長を促すためにできること

新入社員を育成する際には、本人の成長意欲を刺激することが当然必要ですが、無理に成長を促そうとしてはいけません。

マズローの欲求5段階説という定説があるように、人間は承認欲求が満たされてから自己実現、つまり成長に対する意欲が湧くのです。

新人の成長は長い目でみることが大切です。

今回紹介した内容を踏まえた上で新人が安心できる環境を整え、その成長を支えましょう。

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